Jun 03, 2006
本年度から新しい研究テーマに取り組んでいます。と言っても昨年度から分野が変わってしまうほどではないです。(そんなことしたら、博士号への険しい道を自分で歩きにくくするようなもの。)
新しい研究テーマに取り組むということは、新しい情報を収集することでしょう。ところが、この発想は、研究者としてレベルが低いのだと気づきました。
それに気づかせてくれたのは、ウェブとの関係を変えるきっかけを作ったこの HP です。HP を構築するという作業を自発的に始めてから、RSS や Blog で自然と新しい情報が入るようになりました。しかも、恐ろしく簡単に最新の情報が手に入ります。
そうするとどうでしょう。最新の情報を手に入れるということは、重要なことであるが、その一方で「あたりまえ」だと気づかされました。
情報感度を磨け!―スピード時代を制する収集・活用の新技術 (成美文庫)
西村 晃
成美堂出版 / (2002-05)
発送可能時間:
以前読んだ本の「情報感度を磨け!」では、
知ったらおしまい
ということが書いてあります。一度オープンにされた情報は、例えば日経の一面記事、これは最新の情報だけれども、それと同時に他人にも同じ条件で知られてしまうわけです。なので、すでにそれほどの価値を持たないのだ、と言っています。
自分に少しでも関係する最新の情報を取得しているという事実は、実は偉くも何ともなくて、逆に、取得していないならば負けである、あたりまえだと言えそうです。
さて、話を研究テーマに戻しましょう。新しい研究テーマにアタックするためには、必ず過去の研究を調査します。その時には、新規性があると良いなと期待する何かしらのアイディアを思い描いているものです。ところが、調査を進めると、「あ、これ同じこと言ってる」「うわ、もう終わってる」「なんだ、あたりまえの事なのか」と、調査をしながら、期待感と絶望感を同時に得ることになります。それはそれは奇妙な体験です(笑
先日、ある論文を読みました。その論文は、私の発想に非常に近いことを述べていて、同じような立場で議論をしている論文も多数ありました。それらの発表年をみると、おおよそ2000年。もう5年以上も前のお話です。ということは、「私の脳は、最先端と5年以上の開きがある」ということです。そして、そのアイディアは5年前の時点で「最新」であり「あたりまえ」の情報だったわけです。
HP の作成作業をきっかけとして、時間的な要素に強く影響を受ける情報の価値について、私はよく考えるようになりました。そして、次の事実を意識するようになりました。
研究活動の基礎は、少なくとも
- 最先端との距離を「0」にし、それを維持すること
- 関連分野の情報は常に収集し、思考の軸を周辺から補強すること
の2点を日常的に意識することである。
今の私がするべきことは、まず最先端との距離を「0」にすることです-0-。そして、仮にこの記事が現時点で新規性のある事柄だとしても、「最新」でありすでに「あたりまえ」の情報なわけですね。
研究者としてあたりまえの情報を得るために。。。
■ IEEE
http://www.ieee.org/
追伸: 6/7/2006
同じような内容を教授にお話したところ、「遅れがあるのは研究を追っている状態にあるからで、真にオリジナルならば遅れは存在しない。」とコメントがありました。おっしゃる通り。。。
* 気になる方は,適当なアドレスを入力してください.